一生使える憧れの鋏「Adler 洋鋏」
ある記事を読んでこのハサミを知った
お久しぶりです。
今回はすこし思い出に絡む物の紹介です
きっかけは高校生の時に読んだ土橋正さんのこちらの記事でした。
「空気も切れそう」アドラー 洋鋏 285-5
この記事を読んだとき、初めて”切る”動作のために生まれたこの造形に美しいと思いました
その後、田舎の高校生だった私はこの鋏を求めて東京・銀座を初めて訪れることになります…
”一生使える”というキラーワード
実はこの鋏、先程のリンク先を見てもらえれば分かるように
ただ切るための道具に8,400円と決して安くは無い値段がします。
その上このシンプルすぎる装飾も何もない言ってしまえば味気ないデザイン
ですが店員さんの”一生使える” ”飽きがこない” ”切れ味が良い”の文句に
魔法にかけられた私は帰りの手段が飛行機だというのも忘れて店頭で購入しました。
(この時は初めての飛行機で機内に持ち込めないことを知りませんでした)
そうしてどうにかこうにか買ってきたこの鋏ですがもちろん今も現役で使い続けています。
一度だけ人に貸した際に金属線を切ろうとされてしまって刃が悪くなったのですが
その後研ぎに出してまた元の鋭い切れ味を取り戻しました。
端正な見た目とその名前に裏付けられた確かな切れ味
それもそのはずこの鋏、刃物で有名なドイツ・ゾーリンゲン製のものでした。
ペン立てに立てて置くだけでもラインの美しさは際立っており
手に持ってみるとハンドルの角が丸められており、なめらかに手にフィットし
長時間の細かい切り貼りの作業もこの鋏で切っているとスゥッと静かな切れ味に捗ります。
先が少し重なるようになっている仕上げのおかげで刃先での繊細な作業もお手の物
チョキン、チョキンとラバーハンドルの鋏にはない心地良い音を立てながら切れます。
決して安くはないけど手元にあると心躍る物
今思い返しても少ないバイト代の中からこんな高価な鋏を買うのは
我ながらよくぞこの清水の舞台を飛び降りたなと思います。
ですが、この鋏はそんなストーリーと共にずっとこれからも手元にある物
こういう物はすこしずつ普段の生活の質を底上げしてくれるものだと思います。
読んでくれた貴方もぜひ、一生使える何かを探してみませんか?
現在も、伊東屋さんから購入できるようです。